ポイント →腎臓は老廃物や毒素を排出する臓器 →タンパク質は腎臓に負担をかける →塩分は腎臓に負担をかける →肝臓と同じく、我慢強い臓器 →電解質の過不足に注意する →リンを抑える →脂肪酸の摂取は腎臓疾患に有効 →食物繊維はアンモニアを増やさないように働く →代謝性アシドーシスを防ぐ食材 |
おすすめの食材 処方食はかなり考えられていますので、処方食に加える形が良いと思われます。 おすすめの食材は場合によってかなり変わりますので、腎臓疾患に限っては その状況に応じて使い分けてください。 |
腎臓疾患は多いです。
腎臓疾患は、特に食事療法が重要な疾病ですから、
色々と勉強しておいて損は無いと思いますよ~。
腎臓は老廃物や毒素を排出する臓器
はい、まんまです(笑)
腎臓が悪いと老廃物や毒素が体から上手く出て行かなくなっちゃいます。
腎臓が悪くなると造血にも問題が出てきまので貧血になったり、
タンパク質流出を防ぐフィルターも壊れてしまう事がありますので、
低タンパク質血症の原因にもなります。
タンパク質は腎臓に負担をかける
タンパク質を食べると、老廃物として窒素が出ます。
窒素の排出は腎臓に負担をかける事になりますので、
タンパク質を制限する事は腎臓の負担を減らす事に。
また、タンパク質の制限はリンの制限やミネラルの制限にも
つながりますので、併せて効果的です。
ただし、猫は犬の3倍のタンパク質を必要とする動物ですので、
犬に比べて猫のタンパク質制限は若干控えめにします。
塩分は腎臓に負担をかける
取りすぎた塩分を調節出来るのは
ほぼ腎臓だけと考えて良いでしょう。
塩分の取りすぎは腎臓に負担をかけます。
加えて高血圧の原因にもなりますので、
手作りフードでは塩分に気をつけるようにしましょう。
肝臓と同じく我慢強い臓器
腎臓も、肝臓と同様に難しい臓器です。
腎臓の機能がかなり失われないと検査の値として
変化は見られず、また飼い主さんが見つけることが出来る
多飲多尿などの症状も出てきません。
腎不全はかなり気づかない内に進行してしまいます。
あらかじめ診断がおりていない状態でも、注意できる部分は
注意しておいた方が良いと思います。
電解質の過不足に注意する
特にカリウムに注意しなくてはなりません。
腎臓の機能が低下すると、カリウムの排出が上手く行えず、
高カリウム血症になる事があります。
高カリウム血症は心疾患の原因になり、命に関わる
状態ですので注意が必要ですね。
逆に、利尿剤を使用するような病気の場合は
利尿剤によってカリウムが排出されてしまって低カリウム血症に
なってしまう事もあります。
加えて食欲不振によっても低カリウム血症は起こります。
獣医と相談しながらカリウムの摂取は考えていきましょう。
ちなみにカリウムの多い食材は野菜、果物、芋類、豆類などです。
切り口を多くしてゆでる事でカリウムは80~90%逃げます。
リンを抑える
腎不全などの病気が進行すると、高リン血症を認める場合があります。
代表的な腎不全の合併症である、骨の弱化の原因となります。
リンとカルシウムはバランスが重要となります。
リンが血液中に増えてしまうと、カルシウムが骨から溶け出して
血液中でリンとバランスを取る事になるのが、骨の弱化の原因です。
よく「カップラーメンを食べ過ぎると骨が弱くなる」と言われますが、
カップラーメンにリンが多い事がその理由となります。
脂肪酸の摂取は腎臓疾患に有効
DHA/EPAなど、n3型の脂肪酸は、少量で必要カロリーを
得られると同時に腎臓の炎症を緩和する働きがあると言われます。
食物繊維はアンモニアを増やさないように働く
食物繊維は、結果アンモニアを増やさないよう作用します。
理由は腸内細菌バランスの改善による、アンモニア生成の減少と
生成されたアンモニアの排出です。
代謝性アシドーシスを防ぐ食材
腎臓の機能が衰えていると、酸を上手に排出する事が出来なくなり
代謝性アシドーシス、つまり体が酸性になってしまう事があります。
代謝性アシドーシスが起こっている場合は、体をアルカリ側に
是正しなくてはいけません。
海藻類や果物など、アルカリ性食品を取るのが良いでしょう。