ポイント →肝臓は解毒に関わる臓器 →タンパク質の摂取方法に気をつける →脂肪はとり過ぎないように →適度に炭水化物を取らせる →非常に我慢強い臓器です →強肝作用のある食材を取り入れると良い |
おすすめの食材 納豆・ゴマ・大豆・ウコン |
「肝心要(かなめ)」「ここが肝」など、非常に大切な臓器です。
肝臓の特徴から、負担がかからないフード作りのポイントを
抑えていきます。
解毒に関わる臓器だから
分かりやすい例ですと、人間に対するアルコールでしょうか。
お酒をたくさん飲むと、肝臓に負担がかかりますよね~。
体にとって有害である物を解毒してくれる肝臓。
抗生物質だろうと農薬だろうと、毒物を処理してくれています。
もちろん、そんな危ない物質を解毒するのは大変です。
当然肝臓は疲れてしまいますよね。
「肝臓を守る」ためには、毒物自体を取らせない事が重要です。
つまり食材選びとしては、農薬や抗生物質を含む食材を
出来るだけ使わないようにする事がまず大事。
その他、薬も肝臓にとっては負担となります。
他の疾病で薬を使用している場合は、出来るだけ薬を
抑える治療法を選択出来ると良いですね。
かかりつけの獣医と相談しましょう。
タンパク質の摂取方法に気をつける
タンパク質は、肝臓が作る消化酵素の元にもなりますし
取らない訳にはいかない成分ですね。
ただ、タンパク質と一言に言っても、
色々なタンパク質があるのです。
タンパク質の取りすぎは、余分なタンパク質をエネルギーに
変える段階で生じるアンモニアが問題になります。
アンモニアの解毒は肝臓で行われるのです。
偏ったタンパク質の取り方をしてしまうと、
取りすぎ同様、アンモニア生成のきっかけになってしまいます。
バランス良く色々な食材からのタンパク質を、
適量与えるように気をつけましょう。
ただし、肝臓の機能が著しく衰えている場合、
タンパク質を抑える必要のある場合があります。
その点については状態を判断しないと難しい部分ですので、
かかりつけの獣医に相談するようにしましょう。
脂肪は控えめに
脂質はもちろん必要な栄養素ですが、
脂肪を取りすぎる事は肝臓への負担につながります。
(吸収障害・利用障害を起こしている場合がありますので)
基本的に脂質は取り過ぎないようにします。
また、脂質は出来るだけ魚由来の物か植物性の物を
摂取させるようにした方が良いでしょう。
ただし、魚由来の脂肪酸は酸化を起こしやすいので
注意が必要です。
抗酸化物質を含む食材と一緒に食べさせると良いでしょうね。
炭水化物を適量
炭水化物が足りないと、エネルギー源として
タンパク質や脂肪が使われてしまいやすくなります。
タンパク質が多く使われますと、筋肉の減少や
アンモニアの生成が起こり体に悪い影響を与えますので、
適量の炭水化物を取らせるようにしましょう。
ただし、肝臓の機能が低下している場合、
糖に耐える能力(耐糖能)が低下している場合があります。
そういった場合は糖の制限が必要です。
非常に我慢強い臓器です
肝臓は、悪くなっても働く事を止めようとしません。
放っておけば徐々に悪化していく事になります。
肝細胞が一定数以下に減ってしまうと、もう逆戻りできない
状態になり、他の臓器にも障害が出て、手がつけられなくなってしまいます。
また、症状として表面に出にくい臓器となります。
つまり飼い主さんには、見分けがつきにくいのです。
大体肝臓の機能低下は、病院での血液検査の値から
判明します。
普段から、肝臓の負担にならないような食生活を
心がける事は、特に肝臓疾患を抱えていないペットを
飼われている方にとっても大事な事でしょうね。
強肝作用のある食材を取り入れましょう
肝臓に負担をかけない事について、色々とお話しましたが
次は逆の面から、肝臓を強くする食材の紹介です。
肝臓の治療には特効薬がありませんので、
基本的には病院での治療も強肝剤が柱となります。
その強肝剤に求められる条件としては・・・
・肝細胞の代謝を活性化させる。
・肝細胞の破壊を止める(抗酸化)。
・血流を改善、肝細胞の再生をしやすくする。
これらが重要です。
そして、これらを補う食品と言う事ですが、
あまりにも多くなりすぎてしまいますので特にお勧めな
物だけを紹介したいと思います。
お勧め食材は納豆・ゴマ・大豆・ウコンです。
詳しくはそれぞれの解説を読んでくださいね。
強肝の条件に適しているのがお分かり頂けると思います。
ちなみによく肝臓に良いとされる、しじみやレバーですが
これらには若干疑問があります。(→詳しくはこちら)
次ページ:腎臓を強くしたい
栄養素はどういった働きをしているのでしょう。
把握すると食材のメリットも理解しやすいです。