過剰摂取に気をつけましょう

 

栄養素の中には、過剰摂取に気をつけなければならないものがあります。
AAFCOで上限値が定められているものについて見てみましょう。

 

メチオニン(猫)


最低必要量は0.62%、最大値は1.5です。
メチオニンは体を酸性化するアミノ酸で、つまりは
尿を酸性化するのに役立ちます。

一般に猫の尿が酸性になれば、結石の形成が減りますが、
酸性にすればよいかと言えばそうでもなく、酸性すぎると
他の結石の原因に
なります。

 

カルシウム(犬)


最低必要量は0.6%、最大値は2.5%です。
カルシウムの過剰摂取は発育障害、甲状腺機能の低下、
骨の形成異常など
を引き起こします。

最大値は犬にしか出ていませんが、猫の場合も同様です。

 

リン(犬)


最低必要量は0.5%、最大値は1.6%です。
リンはカルシウムとバランスよく摂る事が重要で、
リン:カルシウムは1:1.2ほどが良いです。

リンが多いと、バランスを保とうと骨からカルシウムが
出て行ってしまいます
ので、骨が弱くなってしまいます。

 

マグネシウム(犬)


最小必要量は0.04%、最大値は0.3です。
マグネシウムはストラバイト結石の材料になります。

したがって、摂りすぎは結石の原因になりますよね。
もちろん猫も注意すべきミネラルとなります。

 

鉄(犬)


最小必要量は80mg/kg、最大値は3000です。
鉄は取りすぎると中毒を起こす事があります。
また、リンの吸収を妨げてしまいます。

 

銅(犬)


最小必要量は7.3mg/kg、最大値は250です。
銅は鉄と共に、血球の材料となり、鉄の適正な使用を
補助する元素ですが、過剰摂取すると鉄の吸収を邪魔してしまいます。

鉄と銅、どちらかが不足すると貧血になりますので、
過剰摂取はもちろん危険ですね。

 

亜鉛(犬・猫)


犬で最小必要量120mg/kg、最大値1000。
猫で最小必要量75mg/kg、最大値2000です。

そうそう亜鉛過剰になる事はありませんが、
缶詰に使われている亜鉛が溶け出して過剰が起こったことはあります。
亜鉛が多いと他のミネラルの吸収を阻害します。

 

ヨウ素(犬)


最小必要量1.5mg/kg、最大値50です。
ヨウ素は甲状腺ホルモンの材料になりますが、
摂りすぎると甲状腺の病気の原因になってしまいます。

海藻類などの摂りすぎには注意しましょう。

 

セレニウム(犬)


最小必要量0.11mg/kg、最大値2mg/kgです。
セレンは抗酸化、つまり抗癌や老化防止に役立つ栄養素ですが、
毒性も強い物質ですので摂りすぎには注意が必要です。

セレンを多くとりすぎると中毒を起こし、
吐き気、爪の変形、脱毛などの症状が出ます。

 

ビタミンA(犬・猫)


犬の最小必要量は5000IU/kg、最大値は250000IU/kg。
猫の最小必要量は5000IU/kg、最大値は750000IU/kgです。

ビタミンAは目の健康や粘膜の保全に役立ちますが、
摂りすぎると脳圧亢進、四肢の痛みや腫張、肝障害など
様々な障害が起こることがあります。

 

ビタミンD(犬・猫)


犬の最小必要量は500IU/kg、最大値は5000IU/kg。
猫の最小必要量は500IU/kg、最大値は10000IU/kgです。

ビタミンDはカルシウムを腸から吸収させるのに役立ちます。
ところが過剰摂取すると、カルシウムを結果吸収しすぎることになり、
カルシウム沈着による炎症、変性、軟骨形成障害の原因になります。

 

ビタミンE(犬)


最小必要量は50IU/kg、最大値は1000IU/kgです。
基本的に欠乏も過剰も起こりにくいビタミンですが、
過剰になると食欲減退などの障害が出ることがあります。